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オステオアゴラ九州沖縄エリア 2003年新緑座談会
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テーマ : 骨粗鬆症による骨折にどう対処すべきか
図1
桐山
 アレンドロネートが発売されて1年半になります。当初から使っている患者さんは、最初は何箇所も椎体の圧迫骨折があって痛そうに歩いていたのですが、現在では痛みもほとんど無く自然に歩いている方が多数折られます。しかも痛みが減って活動性が上昇したために筋力も増強するというような相乗効果もあると思います。
(図1)

坂元先生
 それを定量的に予測因子として整理できてくるともっと骨粗鬆症の展望も開けてくるのではないかと思いますね。


帖佐先生
 整形外科では、既に骨折を起こしている患者さんを診ることが多いので、薬物治療によって骨量を増加させることと同じように、骨折を防ぐことが重要であります。例えば、大腿骨頸部骨折を起こした患者さんに、反対側の骨折の予防も含めてヒッププロテクターの装着を勧めるとか、つまずいて転ばないようなバリアフリーなどの環境作りも大切だと思います。

桐山
 以前までは、薬物治療をしている患者さんの骨密度を測って「維持できています」とか、「減少速度がゆるくなっていますから、減ってはいるけれども効いていますよ」とか、わかったようなわからないようなことを言わざるをえなかったと思いますが、ビスフォスフォネートの登場で状況は変わってきました。先生方はどのように患者さんのモチベーションを高めていますか。

鶴上先生
 私は、最近骨代謝マーカーをよく使っていますが、特にビスフォスフォネートに関しては骨吸収マーカーの値がすみやかに下がるので、まずそれを患者さんにお示ししていいます。マーカーの値を見て治療効果を実感していただき治療を継続していただければ、1年後、2年後には「骨量が維持できている」、または「骨量が増加している」というような効果を確認できると思います。


桐山
 薬物治療による骨折予防の効果は徐々に認識されてきていると思いますが、整形外科の先生方の一般的な考え方はどうなのでしょうか。


帖佐先生
 最近は整形外科でも骨折の予防効果を期待して積極的に骨粗鬆症の薬物治療をする先生が増えてきていますし、骨代謝マーカーを用いることで患者さんへの治療効果の説明もしやすくなりました。


桐山
 そうですね。もう少し頻繁に測れると本当はよいのですけれどね。現在保険適用は、治療前に1回と治療後6ヵ月以内に1回の測定、あとは治療を変更した時だけですが、コレステロールのように、時々測定して「効いていますよ」となるとコンプライアンスがもっと良くなるかもしれないですね。


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