桐山 印象はどうでしょう。
帖佐先生 目に見える効果は期待できないかもしれませんが、骨癒合促進に関する報告もありますので、ビタミン製剤であることを考慮し処方しています。ただし、活性型ビタミンD3とビタミンK2の併用はあまり好ましくはないという報告も出ていますから、慎重に投与しています。
坂元先生 当院の場合は、骨折された急性期の患者さんは他の病院で骨折の治療をしていただき、当院に戻ってからは、ビスフォスフォネートを中心に骨粗鬆症の治療をしています。
桐山 印象としては、骨折したことによってQOLが悪くなりますか。
坂元先生 動作は悪くなっている方が多いですね。臥床が骨にかなり悪影響を与えていると思います。
桐山 併用療法に関してはいかがでしょうか。
鶴上先生 欧米ではビタミンDをサプリメントとして使っていると思いますが、それと同じように考えて、活性型ビタミンD3は栄養剤として補給して、ビスフォスフォネートは治療薬として処方するという考え方でよいと思います。
桐山 活性型ビタミンD3はほとんどの場合に投与するという感じですか。
鶴上先生 骨折している方はビタミンD欠乏になっているだろうから、補充してあげた方がよいと考えています。
帖佐先生 私も、高齢になると腸管からのCa吸収が減りますので、活性型ビタミンD3は使用したほうがよいと考えています。リスクの高い患者さんにはビスフォスフォネート製剤を追加しています。
鶴上先生 転倒予防という意味では、活性型ビタミンD3が筋力を上げるという報告も出ていますね。
桐山 CaとCa+活性型ビタミンD3を比較しているrandomized control
trialがありますが、3ヵ月間投与しただけで転倒のリスクが大幅に減っています。ひょっとしたら活性型ビタミンD3にはそのような効果があるのかもしれませんね。
|