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二次性骨粗鬆症について Q&A

 Q1)骨量が低くても骨粗鬆症ではない場合があると聞きましたが?

 Q2)甲状腺が悪くても骨粗鬆症になるのでしょうか?

 Q3)糖尿病で骨が悪くなるのでしょうか?

 Q4)慢性関節リウマチで骨が悪くなるのでしょうか?

 Q5)お薬を服用して骨が悪くなることがあると聞きましたが?

Q1)骨量が低くても骨粗鬆症ではない場合があると聞きましたが?
A.そのとおりです。
検診で骨密度が低いといわれた方が、骨粗鬆症と思い込んで、あわててカルシウム剤を多量に服用した方が受診されました。

このとき血液中のカルシウムが異常に高くなり緊急に入院していただいたことがあります。実はこの方は骨粗鬆症ではなくて、原発性副甲状腺機能亢進症という病気で、骨からカルシウムが溶け出して血液中のカルシウムが高くなる病気です。

骨からカルシウムが溶け出るので、骨の量が減って骨粗鬆症と似た状態になりますが、骨粗鬆症の治療をしてもよくなりません。先ほどのようにカルシウムを取りすぎるとますます血液中のカルシウムが高くなり危険なことがあります。

骨量が低くて骨粗鬆症でない場合には、前述の原発性副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、癌の骨転移などがあります。原因を早く見つけて治療することが大切です。副腎皮質ホルモン剤に代表される、薬剤による骨量減少も多く見られますので、通常の骨粗鬆症との区別が大切です。

Q2)甲状腺が悪くても骨粗鬆症になるのでしょうか?
A.甲状腺機能亢進症が長く続くと骨密度が減少することがあります。

食欲があってもやせる、暑がりになる、すぐいらいらする、手がふるえるなどの、甲状腺機能亢進症の症状を伴うことが多いです。しかし、中にはそういった症状がはっきりしない人もいますので、骨密度が減少していて少しでも前述の症状があれば、専門の先生に相談してください。逆に甲状腺の機能が亢進している方は骨量の減少に要注意です。


Q3)糖尿病で骨が悪くなるのでしょうか?
A.インスリンの絶対的欠乏状態であるI型糖尿病(必ずインスリンの注射を必要とする超尿病)では骨量が低下するとの報告が多いですが、II型糖尿病(主としてインスリンの効き目が悪くなり発病する糖尿病)では糖尿病そのものによる骨量減少が存在するかどうかは意見が分かれています。骨量が低下している人では、糖尿病のない人より糖尿病の人のほうが骨折しやすいといわれていますので、いずれにしても糖尿病の方は骨量には注意が必要です。


Q4)慢性リウマチで骨が悪くなるのでしょうか?
A.リウマチでは痛みや腫れがある関節の周囲の骨が減ってしまう場合と、全身性の炎症のためや、関節の痛みで運動ができなくなるため、リウマチの治療薬のためなど、種々の原因で全身の骨量が減ってしまう場合の2種類の骨量減少があるとされています。

関節の近くの骨量減少が起こらないようにするには、リウマチの炎症そのものを治療して、落ち着かせることが大切です。全身性の骨量減少は、多くの原因が重なって起こることが多いので、リウマチの方はとにかく骨量を測定されてその結果を専門の先生にご相談ください。治療法は基本的には通常の骨粗鬆症と同じです。


Q5)お薬を服用して骨が悪くなることがあると聞きましたが?
A.何かのお薬を服用しているために骨量が減ってしまうことがあります。

代表的なお薬は副腎皮質ホルモン剤です。ステロイドとも言います。
慢性関節リウマチ、膠原病(コウゲンビョウ)、喘息などの時服用することがあります。その他の骨を減らす可能性のある薬剤として、メソトレキセート、サイクロスポリンA、抗痙攣剤、ゴナドトロピン放出ホルモンアナログ(子宮筋腫や子宮内膜症のとき使用される)があります。たいていの場合、骨量が減るので服用しないというわけにはいかないので、薬剤を使用する前、骨量を測定しておき、ある程度以上骨量減少がある人は予防的に骨量減少を防止するお薬を併用します。
とにかく、これらの薬剤を服用する時は、骨に特に注意が必要ということです。



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